遺留分減殺請求事件の流れ

遺留分の侵害があることがわかった後、遺留分権利者は、遺留分減殺請求を行うことによって自己の権利を実現することになります。今回は、このような遺留分減殺請求事件の解決までの流れについて、弁護士がその概要を解説します。

遺留分減殺請求通知書の送付

遺留分減殺請求事件では、遺留分権利者が減殺請求権を行使して初めて、被相続人の遺贈や生前贈与が失効することになります。そこで、まずは遺留分減殺請求の相手方に対して、遺留分減殺請求の通知をします。なお、遺留分減殺請求権の行使には消滅時効がありますのでご注意下さい。

遺留分減殺請求通知書の作成方法

遺留分減殺請求通知書については、法律上、特に決まった要式は要求されていません。もっとも、請求権の消滅時効が中断されたことを明確にしておくため、配達証明付の内容証明郵便の形式で通知書を送付し、これを通知の証拠としておくことが一般的です。

通知書に記載する内容としては、遺留分減殺請求通知の相手方に対する被相続人の遺贈や贈与が通知人の遺留分を侵害しているため、被通知人に対し遺留分減殺請求をする旨を記載することが必要です。

遺留分減殺請求通知の相手方

では、遺留分減殺請求通知の相手方は具体的に誰にすればよいでしょうか。この点、民法では、遺贈と贈与がある場合には遺贈から先に減殺すべきとされています。

(贈与と遺贈の減殺の順序)
第千三十三条 贈与は、遺贈を減殺した後でなければ、減殺することができない。

したがって、受遺者(遺贈を受けた者)があれば受遺者に対して減殺通知を行い、それでも遺留分侵害が残る場合に限り、受贈者(贈与を受けた者)を対象として減殺請求通知をすることになります。他方、遺贈がない場合には、最初から受贈者に対して減殺請求通知をすることになります。なお、受遺者や受贈者が複数いる場合については、別のページで解説します。

裁判外での交渉による解決

遺留分減殺請求通知の送付後、まずは裁判外において、遺留分権利者と相手方との間で交渉をするのが通常の解決の流れとなります。

減殺請求の相手方が遺留分権利者の主張を認め、物件の返還や価額弁償などの解決方法についても協議がまとまった場合には、双方で解決に関する合意書を作成し、相手方がその履行をすることで事件は解決となります。

もっとも、遺留分減殺請求事件では、遺留分の侵害額や目的物の評価などの点で争いになるケースが多く、この段階で話がまとまらないというケースも少なくありません。

家事調停による解決

裁判外での交渉が上手くいかなかった場合は、裁判所の手続を利用して遺留分減殺請求の問題解決を図ることになります。

遺留分に関する事件は、家事事件手続法において家事調停の対象とされる「家庭に関する事件」となります。このため、遺留分権利者は、遺留分減殺請求訴訟を提起する前に、家庭裁判所に対して調停を申し立てる必要があります。これを調停前置主義といいます。

遺留分権利者は、家庭裁判所に対し、遺留分減殺による物件返還請求調停の申立書を提出することによって調停を申し立てます。調停の席では、裁判所の調停委員が当事者を仲介して協議を進め、事件解決のために必要な調整を行ってくれます。その結果、話し合いがまとまれば、調停調書が作成され、これに基づく義務の履行受けることで、紛争の解決となります。

遺留分減殺請求訴訟(裁判)による解決

家事調停が成立しなかった場合は、遺留分権利者が原告となり、遺留分減殺請求の訴訟を提起し、裁判手続きでの解決を図ります。訴訟の提起先は、被相続人の最後の住所地を管轄する地方裁判所(訴額が140万以内であれば簡易裁判所))となります。

遺留分減殺請求訴訟では、原告と被告との間で事実に関する主張を交わし、互いの主張を証拠を提出して裁判官がこれを取り調べます。このような過程を経て、裁判所は判決という終局判断において事実を認定し、遺留分減殺請求に関する法律の諸規定を適用して結論を導き出します。

まとめ

以上、遺留分減殺請求に関する問題の解決方法についてまとめてみました。本記事が、遺留分減殺請求に関する問題に直面されているあなたのお役に立てば幸いです。

弁護士法人ポートでは、遺留分侵害額の算定をはじめとした遺留分減殺請求に関するご相談・ご依頼をお受けしております。遺留分減殺請求についてお困りの方は、ぜひ当事務所の無料法律相談をご利用ください。

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