遺留分算定の基礎財産につき、相手方との交渉で任意の情報開示を受け、短期間で遺留分を確保した事例

  1. 被相続人が死亡。法定相続人は、相談者Aさんと相手方Bさんの2名。
  2. Aさんは被相続人の代襲相続人(孫)であり、Bさんは被相続人の子であった。
  3. Aさんの母が被相続人と疎遠であったこともあり、Aさんは、被相続人及びBさんとは交流がほとんどなかった。
  4. 被相続人の死亡後、Bさんから被相続人が作成した自筆証書遺言があるとの連絡を受け、家庭裁判所ので検認手続きを行ったところ、「Bに全ての財産を相続させる」との内容。
  5. Aさんとしては、遺留分に相当する財産の確保をしたいが、被相続人の相続財産の状況も不明とのことで当事務所への依頼となった。

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弁護士による解決

本件のポイント

遺留分権利者が自己の遺留分を計算するにあたっては、まず、遺留分算定の基礎となる財産を把握することが必要となります。しかし、本件では、生前の被相続人と相談者Aさんの日常的な交流はなく、被相続人の財産状況についての情報が極めて少ない状況でした。

そこで、担当弁護士は、以下の2つの方法で遺留分算定の基礎となる財産の範囲を調査しました。

  1. 相手方Bさんに対する遺留分減殺通知に際し、遺産についての情報開示を依頼する
  2. 独自に金融機関への照会を行う

解決に至る経過

Bさんは、Aさんに対し法律上認められる遺留分侵害額については任意に支払いを行うとの立場であり、被相続人の遺産についてもBさんの把握している情報についてはAさんからの開示要請に応じてくれました。もっとも、Bさんの把握していない遺産が存在する可能性もあるため、担当弁護士は、念のため、事前にAさんと相談した金融機関に対する口座照会も行った上で、確認できた遺産を基礎としてAさんの遺留分及び遺留分侵害額の計算を行いました。

その上で、Bさんと交渉を行った結果、裁判所の調停や訴訟を経ずに、請求金額の満額に近い支払いを受ける合意に至り、無事、交渉のみでの早期解決(受任後約4か月)を図ることができました。

コメント

本件のように、被相続人の遺産の内容についての情報がない場合、遺留分侵害額請求(旧:遺留分減殺請求)を行う権利者は、遺産内容の把握をするところから事を始める必要があります。しかし、財産調査の経験のない相談者の方にとって、こうした作業には大きな不安があるものと思われます。特に、不動産など評価が難しい財産が遺産に含まれる場合や、資産が多岐に渡る場合には、弁護士への相談をお勧めします。

私たちが丁寧にわかりやすくお話します。

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