遺産分割を弁護士に依頼するメリット
2018年の司法統計によれば、家庭裁判所の遺産分割調停事件では約80%の割合で弁護士が手続代理人として関与したとされています。しかし、我が国では、当事者同士が直接遺産分割の話し合いをする場合はもちろん、家庭裁判所の調停や審判手続を利用する場合であっても、弁護士を代理人として選任することが強制されているわけではありません。しかも、弁護士に遺産分割協議の代理人を依頼するとなれば、一定のコスト(弁護士費用)が発生することは避けられません。それでは、なぜ、相続事件の当事者の多くが、遺産分割協議事件を弁護士の関与を求めているのか。本記事では、弁護士に遺産分割協議を依頼するメリットを考えてみます。
遺産分割を弁護士に依頼するメリット
メリット1作業・交渉ストレスの軽減
調査や書類作成などの面倒な作業や、相手方との交渉を弁護士に任せることで、こうした作業や交渉を依頼者自身で行うストレスを軽減できます。ただでさえ、ご家族を亡くされて精神的なご負担が大きい中で、この点を大きなメリットと感じてご依頼になる当事者の方は少なくありません。
メリット2弁護士が依頼者の利益を代弁
家庭裁判所の調停委員は、あくまで中立的な立場から遺産分割事件の解決を目指す人々であり、依頼者の利益の代弁者ではありません。また、必ずしも法律の専門家が調停委員として任命されているわけではなく、遺産分割の法理論について誤った知識を有している方もおられます。これに対し、弁護士は依頼者の利益を最大限に確保することを目指して遺産分割事件の解決にあたります。
メリット3法的観点を踏まえた交渉戦略の立案
弁護士は、依頼者からの徹底したヒアリングに基づき、ご本人の意向に沿った遺産分割を実現できるよう、法的主張や交渉方法の戦略立案を行います。弁護士との打ち合わせを繰り返すことによって、ご本人が思いもつかなかった法的主張が見つかることも多くあります。
メリット4遺産分割後を見越した分割方法のアドバイス
弁護士は、様々な相続トラブルを解決してきた経験を踏まえ、遺産分割後に再度紛争が発生するリスクの少ない遺産分割の方法をアドバイスすることができます。
まとめ
以上のように、弁護士に遺産分割協議を依頼することで、作業や交渉のストレスを軽減できるだけでなく、依頼者の利益を最大限に確保することができ、適切な交渉戦略の立案や遺産分割後のトラブル回避のアドバイスも受けることができます。遺産分割に関する問題でお困りの方は、ぜひ弁護士への相談をおすすめします。
弁護士法人ポートでは、遺産分割を含めた多数の相続事案を常時取り扱っております。遺産分割に関するご相談やご依頼は、弁護士法人ポート法律事務所にお任せください。